2011年 11月
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11月30日 「乗り切らなければ」
11/27に修巳が指導する笛の会の皆さんの発表会がありました。毎年、竹や
季節のもので良い飾りつけがされています。皆さん、演奏前に一言挨拶するの
ですが、その人となりがよく表れて面白いです。緊張もしたでしょうし、家では
もっと吹けたのにと思った人もいるかもしれませんが、誰もが心を込めて吹いて
いる姿はとても好感が持てて勉強にもなりました。曲目は吹くご本人が選んで
いるだけに、好みや音の向こう側のその人の暮らしも感じられて興味深かった
です。来年もぜひ聴かせて頂こうと思いました。
        ↓模様は手描き。ハンドメイドの衣装が素敵。    
                
                
             
発表会から帰り修巳は皆さんと打ち上げへ。私は自分の発表会の練習や編曲
の手直しをしていたら午後10時半近くに電話が鳴りました。出てみたら総合病
院の救急外来!実家の母が夕食を食べている際、口の中で入れ歯が割れて
水を飲んでいる勢いで入れ歯を飲み込んでしまったというのです。歯4本に金属
が付いているので意外と大きく、金属部分が消化器官を傷つけると困ることに
なるといいます。すぐに駆けつけましたが母はピンピンしていました。処置室で
なんとか取ろうと医師が奮闘してくれましたが、食道にぴったりはまるサイズで
取りにくく、一度は器具で掴んだものの滑ってしまい、仕方がなく胃に落としたら
消化していない食べ物に埋もれて取れなくなってしまいました。そのまま進んで
いくうちに腸を傷つけて穴でも開いたら開腹手術になってしまうそうで今、入院し
ています。
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両親は昨年末からリフォームした家で暮らしているため、母が入院した今、父が
一人きり。父を仕事場へ送迎したり食事の支度をしなければなりません。その
間、臨時も含めてレッスンがあるし、今週末は娘の成人式の前撮りもあるし、
発表会の教室リハーサルもあります。自分の着るものも決めなければならない
し、発表会で使用する用具や飾りなども探さなければなりません。
         
姉も仕事の経理関係や母ができない分の仕事や自分の家のことでてんてこ舞
いです。こういうことは重なるものですね。寒くなってきた上に母がいないため
父も昨日から体調をくずしています。なんとか母が早く退院するように、娘の撮
影も段取り良くいくように、発表会も無事に終えられるようにと祈るような思いで
す。
   
11月22日   「帰省」
娘は来年成人式に参加します。当日は早朝から美容院に行くのですが、その
時に髪型を考えていたのではとても間に合いません。必ず年内に打ち合わせ
に来てくださいと言われていたため先週末に帰って来ました。秋から多忙に
なることを見越して春休みに買っておいた髪飾りと着物、帯を持って打ち合わ
せに行きました。着物が古典的な柄なので髪型も合わせた感じに決めました
が、買い揃えた飾り全てがうまく使えそうで良かったです。娘は髪が腰まであ
るので成人式前日に美容院でカールしておくことにしました。私は自分の成人
式には(県外にいて)行きませんでした。娘の式にも出る気はないのでもっぱ
らカメラ係として、お友達との写真をたくさん撮ってあげようと思います。
         
娘が大学に行く前はよく卓上天ぷらや焼肉をやり、3人でワイワイ言いながら
食べていましたが、もう一つ(たまにしかやらないけれど)修巳が作ってくれる
「とろろ」がこの時期の楽しみで、娘が帰って来ると言ったら修巳が自然薯を
買って来て作ってくれました。(美味しかったですが栽培のものだったので、
娘が戻る前にべつの自然薯を買って再度作ってくれました。粘りがあってとっ
ても美味しかったです)
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次の日に3人で静岡市立美術館に行き「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想展」
を観ました。ダ・ヴィンチ本人や弟子、影響を受けた画家達の絵が並んでいて、
どの人物の肌も、本当に血が流れてそこで息づいているかのようでした。身に
纏う衣類も、これは綿、これはビロードと見ただけではっきりわかるのですが、
どうやってあのビロードの質感を出すのか不思議です。一番観たかった「アイ
ルワースのモナ・リザ」を観られて感激!いつまでも絵の前にいたかったです。
        
時間も少なく、発表会で娘が演奏する2曲の合わせは少ししかできませんでし
た。大学のゼミでやる演奏会も多く忙しそうですが、時々お友達が6〜7人(女
ばかり)娘の部屋に来て鍋をつついたり、お好み焼きをやったりするそうです。
嫌いな子の部屋には集まりませんよね。有難いです。一人っ子でも寂しくなく
やっているようで親としても嬉しいです。12月には成人式の前撮り、発表会と
2回帰って来るので楽しみです。
     
11月13日 「金丸さん」
このホームページのリンクでもご紹介している仏師の金丸さんが昨日お亡くな
りになりました。67歳、舌癌でした。修巳はもう30年以上も前に、地域の芸術
家を取り上げる記事を書くのが縁で金丸さんと知り合ったそうです。金丸さんが
病気だと誰かから聞いていたものの、私の身内が癌宣告を受けて入院したり、
仕事その他で多忙だったため、ついついそのままになっていました。先日金丸
さんの奥様に会った際、「再発してもう治る見込みはない」「いま病院から家に
帰っている」と聞き、お見舞いに行っていいものかどうか迷っていたところ、金丸
さんの近くに住む修巳の友人から金丸さんが亡くなったと連絡が入りました。
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今日修巳とお悔やみに行って来ました。ドアを開けると金丸さんの作品が並ぶ
広間の奥のお座敷に金丸さんは眠っていました。眠っているという表現がこん
なにぴったりな顔はないというくらい自然な表情でした。「穏やかでしょう?ずっ
と痛がっていて2〜3日前はこうじゃなかったけど、今とても穏やかな顔になりま
した。」と奥様が言いました。一度はとても元気になり、精力的に製作に打ち込
んでいたそうです。病院にいるのを嫌い院内を歩き回り「帰りたい、帰りたい。」
と言っていたそうで、最期は家に居られて良かったと思いました。
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金丸さんはいわゆる「普通の人」とは違う方でした。自分の還暦の誕生日(死亡
予定になっていました)と自分の戒名(自分はめちゃくちゃな乞食だという意味
の戒名)を表に、裏側には「延命ムヨウ、葬式ムヨウ、散骨スベシ」と掘った木が
残っていて、奥様はそれを守り葬儀は一切行わず、ご家族だけが付き添い荼毘
に付すそうです。
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小柄でお酒の好きな方でした。私達の演奏にもお酒を手土産に何度か来てくだ
さいました。しばらく前になるけれど、仲間と一緒に飲んだ帰りにうちまで来てく
れて、車から降り、並んで立っている私達を見ながら「うん。似合ってる。」と指
差して言われました。「金丸さん、酔ってるよ」と笑いつつも、結婚したての頃に
私の演奏が修巳よりでしゃばっている、バランスが悪いと厳しい言葉を掛けられ
ていただけに、ようやく認めてもらえたという嬉しさで胸がいっぱいになったのを
覚えています。
       
   金丸さん、有難うございました。ゆっくりお休みください。
           
                            画像:「仏像・仏師の世界」より
   
11月5日   「お湯が効く」
先月、牧之原市に演奏に行ったことは日記(10/31)に書きましたが、藤枝に帰
って来て修巳の車から降りる時に、いつものように高い座席から滑るように降
りてドアを閉めました。ドアが自分の方に来る時にまだ人指し指が残っているの
を見ていながらなぜかどかすことができず、重いドアがスローモーションのように
指の方にに来るのを見ていました。バタン!と音がしたと同時に指にもの凄い
痛みを感じ「痛い!痛い!」と叫んでしまいました。骨が折れたか指先が切れて
とれてしまったかと思うくらいの痛みで涙がポロポロ出ました。
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朝になっても痛みがひかなければ病院に行くように修巳に言われましたが、家
にあった鎮痛薬を飲んで様子を見ました。10日経った今でも爪が変色したまま
で弾く時に痛みます。指は一番気をつけなければいけないのにまったくボケて
しまいました。今後は十分気をつけます。
         画像ではわかりませんが、爪の先が剥がれました。
              
                  
牧之原の演奏の日記を書いた日に修巳はムカデに足を刺されました。二人で
机と椅子を拭き掃除していた時に「痛い!痛い!」と叫んだので何事かと思った
ら10cm以上ある大きなムカデがいました。修巳の義姉がムカデに刺された時
はもの凄い痛みだったと聞いたそうで慌てました。少し傷口を水で洗い流しても
どんどん赤く腫れて来たので病院に行ったのですがどこも昼休み。仕方がなく
病院の近くの調剤薬局に行き、店番をしていた薬剤師さんに応急処置を教えて
欲しいと頼みました。
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薬剤師さんは「えっ!?ムカデ?、、ムカデですか、、え〜っと、、」と困っていて
「どんどん赤くなって熱をもっているんです」と言ったら「じゃあ、やっぱり冷やして
ください。」と言った後で「嘘を教えちゃ悪いし、、ちょっと待ってください。」と、店
のパソコンで調べてくれました。絶対に冷やしてはいけない、42度くらいのお湯
を5〜20分かけ続けること、石鹸やシャンプーでしっかり洗うことなど書いてある
ことを教えてくれました。すぐに家に帰りその通りにしたら本当に痛みが消えてし
まったそうです。お湯をかけるまで痛みがあったので念のために鎮痛剤を飲み
ましたが、次の日も痛みがぶり返すことも全くなく治ってしまいました。
        
実際にはムカデに「刺される」のではなく「咬まれた」という表現の方が合ってる
そうですが、熱いお湯をかける(かけることが大事で、沸かしたお風呂に入るの
はだめだそうです)ことがこんなに効くとは思いませんでした。修巳の義姉にも
教えてあげようと思います。