2018年   2月
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2月16日   「黒い犬と」
「あなたの風邪はどこから?」というCMがありましたが、の場合、いつもからで、
1月の終わりからガラガラ声になってしまいました。体調が悪くなりそうな予感が当たり、
38度前後を行ったり来たりして体の節々が痛くなりました。一番困ったのは
が出始めると止まらなくなってしまい吐くかと思うほどでした。2月も一週間過ぎる頃、
やっと良くなりましたが、だけは今でも時々出ます。
             
3年前にiPhoneの機種変更をしてから毎日インスタグラムを見ています。自分は投稿
しませんが、フォローした方達の、美しい風景絵画陶芸作品、可愛い
など、様々なジャンルの投稿写真を見るのが楽しみです。その中に、柳本史ふみ)さん
という版画作家さんがいて、版画陶芸など、自分の作品を掲載しています。
は一目見てその方の作品が気に入りました。
                   
                                        画像: 柳本さんのInstagramより
柳本さんは2015年からインスタグラムを始められた様ですが、がこの方の作品に
気がついたのは去年の頃でした。そこから更新される色々な作品を観ていましたが、
5月25日にアップされた「黒い犬と」という作品を見て思わず「あっ!」と声が出てしま
いました。チビにそっくりだったからです。
                「黒い犬と」
      
チビ20年ほど前に乳がんで亡くなった実家のです。もう一匹の「クロ」と仲良く
していたのですが、「クロ」結婚する直前にから脱走してしまい二度と帰って
来ませんでした。それからはチビ一人でとても寂しそうでした。結婚して家を出たといっ
ても、実家から車でわずか2~3分のところに家があるので(修巳は婿ではありません
の町に来てくれました)度々実家に顔を出してはチビを抱きしめていました。
その時の自分とチビにそっくりだと思ったのです。
                
更新される作品を毎回楽しみに見ているうちに、東京で柳本さんが個展をやるという
案内が載りました。本物を見るチャンスだと喜んだのですが、開催が12月初めから1月
中旬までで、修巳のお弟子さんの発表会、自分の門下生の発表会、お正月の演奏等
多忙な時期でも放っておけないし、その時はまだを痛めていたので新幹線で行か
なければならない距離は無理だと諦めました。
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「黒い犬と」はきっと展示されただろう。売れてしまったかもしれないと思うと気になって
仕方がなく、思い切ってインスタグラムからメッセージを書いて問い合わせてみたら
柳本さんは丁寧な返事をくださいました。自分の作品には全てアンティーク額縁
つけていること、額装したらメッセージに画像を送るから見て欲しいことなど書かれて
いたので、喜んでお待ちしていますと返事をした二日後に画像が送られて来ました。
             
暗い画像でわかりにくいですが、四辺すべてに綺麗な飾り模様が入っている額縁です。
インスタグラムには同じ木製でも全然違った風合いの額装がたくさんあり、それに比べ
ると一見とてもシンプルですが、この作品にはこれがぴったりだと思いました。
       
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作品はすぐ送られて来ました。人となりが表れた味わい深い字のお手紙と、個展で売っ
ていたポストカードも入れてくださっていました。
                     
         
                            
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綺麗な白い紙に包まれた作品が出て来た時、20年りにチビが帰って来たような気が
しました。花火を怖がって水道栓の下でぶるぶる震えていたチビが戸を開けて
近づくと扇風機の羽根の様に尻尾を回して喜んでくれた。とても優しい犬でした。
家族全員、夜遅くなる仕事を持っていたため、最後は誰も看取ってやれず一人で逝か
せてしまい、が大泣きして電話して来たのをよく覚えています。を乗せて車で
実家近くを通ったのに、まさかそのに亡くなるとは思わず様子を見に行かなかったのを
今でも後悔しています。チビが生きている間は実家の者達が手厚く看護してくれていました。
それが救いです。
           
もうすぐ演奏のために帰って来る作品を飾る場所を決めたいと思います。